第9話:紫パンツ(2002/05/19)
所属している水産ラガー(全国の水産系大学OBチーム)が、
他大学の40歳以上の混成チームと試合をするというので、
市川のNTTグラウンドへ向かった。
ところが、第一試合の東水大が若手OB不足とのことで、
急遽、東水大 vs 長崎大の40歳以下の若手OB戦 に
私も出ることになってしまった。
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前半開始早々に1本取られたが——
敵陣でラックから出たボールを持ち込み、
サイドをついて再びラック、
そこから出たボールがトライにつながった。
あの瞬間の爽快感は、
40代の身体でもまだ“前へ出られる”という証明だった。
その後の40歳以上の試合にも後半から出場し、
怪我もなく草ラグビーを満喫できた。
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草ラグビーの世界には、年代ごとの“パンツの色”がある。
- 40代:白パン
- 50代:紺パン
- 60代:赤パン
- 70代:黄色パン
水産ラガーにも黄色パンの先輩が元気にプレーしている。
ところが、この日の対戦相手に
紫パンツ を履いた方がいた。
懇親会で話を聞いてみると——
昭和16年に九大卒の、80代のラガーマン。
それだけではない。
全国社会人大会で何度も優勝した
“八幡製鉄ラグビー部”で主将・監督を務めた鉄人。
まさに 文武両道のレジェンド だった。
こんな方と同じ芝の上に立てたことが、
ただただ嬉しかった。
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この頃の私は、白パンツで3チーム掛け持ちの大車輪。
- サンデーバーバリアン
- アモア
- 水産ラガー
体重は結婚時より15キロ以上増え、
仕事も忙しく、走り込みはゼロ。
それでも、
腕立てとスクワットだけは欠かさず、
ガチガチと身体を当てるフォワードプレーに徹していた。
そんな40代の私が、
80代の紫パンツの鉄人 と出会った。
あと15年、赤パンを穿くまで頑張りたい。
そして、人生というやつも、もっと堪能したい。
そう思わせてくれる一日だった。
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この文章を書いてから20年以上経った今も、左ヒザは時々疼く。それがむしろ心地よい。
そして今度は、イエローオーシャンというチームで黄色いパンツを履こうと思っている。