第3話:東大正門前広場で車座になって(1999/09/12)
試合が決まったのは、わずか1週間前だった。
A氏が東大・電通大の連合OBチームにも所属していて、
その縁でマッチメークが整ったという。
グラウンドは東大OBのコネで、駒場の東大グラウンド。
前回7月31日の試合で燃え尽きてから、
すっかりサボっていた私は、
正直なところ日和ろうかと思っていた。
けれど、16時半キックオフなら少しは涼しいだろうと、
恒例の“儲からないPAT投票”を早々に切り上げ、
ひとりぶらりと集合場所へ向かった。
—
井の頭線・駒場東大前駅の広場。
目の前には東大教養学部の正門がどっしり構えている。
しかし、肝心のメンバーは揃わない。
このムシ暑さで、日和った者が多かったのだろう。
結局、A氏が連れてきた3人が我がチームに入り、
なんとか定刻でキックオフ。
案の定、私は早々に干上がった。
手を膝について地面を見つめる場面が増え、
開始早々の得点以降は守り一辺倒。
完敗だった。
でも、怪我がなかっただけで十分だった。
40代の身体は、無事に帰ってくるだけで価値がある。
—
試合後、クラブハウスでシャワーを浴びる。
汗と芝の匂いが流れていく。
本来ならここから銭湯、そして赤提灯へ——
というのがいつもの流れだ。
だが、この日は違った。
待ちきれなかった。
—
近くのコンビニで缶ビールを買い込み、
東大正門前の広場へ戻る。
シートを敷き、缶ビールを片手に車座になった。

東大の正門を背に、
中年ラガーマンたちが地べたで宴会を始める光景は、
なんとも言えない可笑しさと哀愁があった。
走りくたびれてヘロヘロになった身体に、
ビールが染みる。
そして、今年中にベストメンバーでリベンジしようと、
誰からともなく誓いが立つ。
この車座の写真は、その瞬間の証拠だ。
—