第6話:脅威の赤パン (2000/02/11)
–2000年2月。
サンデーバーバリアンズの今年最初の試合だ。
このチームは、サンデーリーグに参加する各チームの
35歳以上のメンバーが集まったロートル軍団。
月1回、祝日を優先して同じような“おじさんチーム”を探し、
のんびり試合をしている。
私はこの1年、欠かさず試合に出て、
そのあとビシビシ飲んでいたので、
練習しなくてもメンバーの顔ぶれはだいぶ把握してきた。
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今日の相手は川越ファイターズ。
少年チームからお母さんのタッチフットまで抱える大所帯で、
年齢別に3チーム作れるほど層が厚い。
集合場所の霞ヶ関駅(官庁街ではなく川越のほう)に行くと、
我がチームのモサたちに加え、
サンデーリーグの顔なじみも勢揃い。
今日は特別に、
私の大学の8年後輩・門田君、
そして結婚して草ラグビーから遠ざかっていた天田君が
5年ぶりの復帰戦として参加してくれた。
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バックスが少ないものの、総勢21名でアップ開始。
天気は快晴、風もなく絶好のコンディション。
相手マネージャーから申し入れがある。
「うちは1本目に赤パンツを含む年配者中心でいきます。20分3本でお願いします。」
60代は赤パンツ、50代は青、40代は白、30代は緑。
“年齢パンツ制度” があるらしい。
我がチームは40代中心。
1本目で点を稼ぐ作戦でいく。
私は1本目・2本目に出場。
先制トライはバックスがきれいに回して決めたが、
その後は膠着し、1本返されて1本目終了。
ゲームプランが狂い始める。
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2本目は気合を入れ直す。
門田君はキレがあり、
天田君は5年のブランクを感じさせない突進。
開始早々、天田君が敵陣ゴールへなだれ込み、
すかさずドンキーズの飯野さんと私が被さってトライ。
しかしその後は決め手を欠き、2本目終了。
2トライ対1トライでリード。
だが、安心できる点差ではない。
3本目、私は応援に回る。
そして——
立て続けに3本取られた。
最後に1本返すも、
20–17で惜敗。
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試合後は敵味方入り乱れてビールで乾杯。
そこで“赤パンツ”の正体を知る。
呉の海上自衛隊出身。
30代前半までは国体にも出場していた猛者。
その後もずっとラグビーを続けているという。
鍛え方が違う。
まさに “脅威の赤パン”。
ファイターズの面々も不完全燃焼だったらしく、
その場で 4月29日の再試合 が即決。
合言葉はただひとつ。
「決着は4.29」
帰りは途中のターミナル駅で下車し、
居酒屋へなだれ込み、
大いに盛り上がった。
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